ウインターカップやその先へつなげるための悔しい経験/明秀学園日立高校(茨城県・女子)

 「日清食品リーグ U18バスケットボール競技大会 関東ブロック2021(以下、関東ブロックリーグ)」開幕戦、明秀学園日立高校は3度の延長戦の末、80-89で埼玉栄高校(埼玉県)に敗れました。しかし、120分に及ぶ長い戦いを通じた希有な経験により、「選手たちの疲弊度や自分自身も疲れて、集中力を継続することの大切さを痛感しました。あの状況でもどう勝ち切らなければならないのかということを考える必要性を学びました」と話すのは筑波 大コーチです。

 2戦目は前橋市立前橋高校(群馬県)に67-73で逆転負け。3戦目の白鷗大学足利高校(栃木県)戦は追い上げましたが惜しくも6点及ばず、65-71で3連敗中です。負けが続いている状況ですが、「最高な経験を積ませていただいています。正直、選手起用や戦術面でもいろんなことを試すことができます」と筑波 大コーチは話し、次々と続く試合にその経験を生かしています。

 トリプルオーバータイムで敗れた埼玉栄高校戦のあと、「一人一人がスクリーンアウトに対する意識が足りないので、全員がそこを意識して徹底できるようにしなければなりません」という反省点を挙げた#7 長谷川 蛍選手(2年)。なかなか勝てない状況に対し、「アグレッシブなディフェンスからブレイクを狙うのが自分たちのバスケットですが、それが全然できていません。まずはディフェンスから自分たちのバスケットを出せるようにしていきたいです」と言い、課題は見えています。12月末に行われる高校バスケの集大成「SoftBankウインターカップ2021」に向けて、精度を高めていくだけです。

 #17鈴木 花音選手ら1年生も主力となる明秀学園日立高校。筑波 大コーチは、出場権を獲得したウインターカップを見据えるとともに、「そのすぐ後にある新人戦や来シーズンのためにも、このリーグ戦を通じて多くの選手に経験を積ませたいです。負けは続いていますが、みんなが悔しい思いをできたことは絶対に次へとつながります」と話し、多くのことを試しています。「リーグ戦で全国区のチームとの対戦を経験することで、負けたとしてもそれが来年にしっかりとつなげられるようにしたいです。試合が続くことは経験になりますし、とてもうれしいです」という2年生の長谷川選手は、積極的にチームを引っ張っていました。

 関東ブロックリーグは勝率とともに、得失点差も関係してきます。そこにもメリットがあると筑波 大コーチは考えています。
「勝つならば1点でも多く取って得失点差で有利に立つようにしたいですし、負けるにしても1点でも詰めなければいけない。最後まで戦うための助言ができます。ポイント制という形式もはじめてなので、おもしろいですね」

 もうひとつ、関東の強豪校と対戦できる機会を有効活用し、会場によっては関東ブロックリーグの後に練習試合を行なっています。ベンチに入れなかったメンバーのため、または近隣チームを巻き込んで胸を借りる場ともなっていました。筑波 大コーチも、「試合に出られなかった選手たちが関東の強豪チームを相手に経験できる機会にもなり、チームにとってはプラスの部分がすごく大きいです」と歓迎しています。

 
 
 
※11月13日(土)に行われた「女子:前橋市立前橋(群馬)vs明秀学園日立(茨城)」の試合の様子は「フォトギャラリー」にてご覧ください。

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