都心にある実践学園高校の体育館は、「コート自体が狭いです。サイドラインの外に正規の3ポイントシュートラインが書いてあるようなコートです」と高瀨 俊也コーチは説明します。そのため、「日清食品リーグ U18バスケットボール競技大会 関東ブロック2021(以下、関東ブロックリーグ)」は全てがアウェイゲームとなります。「遠征には慣れていますから」と高瀬 俊也コーチは意に介することなく、初戦の県立宇都宮工業高校(栃木県)戦は102-77で快勝し、白星スタートで切りました。
翌日、再びバスで移動し、つくば秀英高校(茨城県)との第2戦。お互いに土日2連戦ということ、そして新チームに移行するつくば秀英高校の意向もあり、両チームとも1・2年生チームでの対戦となりました。他のコーチ同様、「できる限り多くの選手を起用し、チームの底上げを図ろうと思っています。新人戦を見越した試合ができたことも良かったです」と高瀬 俊也コーチは言い、強化とともに育成もこのリーグ戦は担っています。
3年生が不在となる中、「自分が中心選手になって、エースとして攻めることを意識していました」と臨んでいたのは、キャプテンを任された#0堀内 星河選手(2年)です。3年生と一緒に戦った宇都宮工業高校戦では、「新井 翔太先輩がチームのエースなので、そこに合わせるプレーを中心に頑張っていました」という堀内 星河選手ですが、新チームで挑んだ2戦目は積極的なプレーでチームを引っ張ります。
新チームでも特別なことを要求することなく、チームとして徹底している「ディフェンスとリバウンドを頑張ろう」と高瀬 俊也コーチは選手たちを送り出します。試合は70-85で敗れましたが、新チームでの課題が見えたことを堀内 星河選手は前向きに捉えます。
「試合中はリバウンドやディフェンスのプレッシャーをかけなければいけないことに対し、声をかけていました。新チームになれば、オフェンス力が先輩たちよりも劣るので、よりディフェンスプレッシャーを大事になります。リーグ戦で試合を経験できることで、まわりの選手たちの底上げもでき、チームの層が厚くなっているので良いきっかけになっています」
コートに制限がある環境ながら、それでも強豪揃いの東京都でトップに立ち、全国への切符を勝ち取る強さを誇る実践学園高校。試合前やタイムアウト時、コート内でも常に選手同士で話し合っていたシーンが印象的でした。選手自身が考えてプレーすることを尊重するのが、高瀬 俊也コーチの指導方針でもあります。
「コーチが言ったことをただやるだけではなく、教わったことをゲームの中でどう発揮していくかが大事です。当然、バスケットは瞬時に判断をして、自分で選択していかなければいけないスポーツです。考える力は日頃からつけさせるようにしています。それも新チームで臨んだ今日は、良い経験になったと思います」
試合中だけではなく、アウェイゲームへ向かう移動中も自らコンディションを整え、試合に備えていました。堀内 星河選手は、「もちろん、バスの中で軽いストレッチをしたり、自分のモデルとしている選手の動画を見たり、試合に向けて準備をしています」と話しており、限られた環境でも常にできることを考えて行動しています。
11月23日(火・祝)に行われた前橋育英高校(群馬県)戦は74-72で接戦をものにし、2勝目を挙げました。高瀬 俊也コーチは「3年生は良い状態で仕上がってきています」と言い、残る3試合でさらに調子を上げていきます。
※11月21日(日)に行われた「男子:つくば秀英(茨城県)vs実践学園(東京都)」の試合の様子は「フォトギャラリー」にてご覧ください。